第2回目の本日は、竹笹堂さんとの出会いを
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大:デザイナーに何パターンかあげてもらって
その中から選んでた。
い:表紙を決めるのは、2008年も2009年も苦労しました。
大:そこで、竹笹堂さんにお願いすることにしたんだよね。
い:2010年ね。
今度はわたしが育児休暇中で、せんぱいが担当でしたね。
大:そう、イガコがいない間に変えてみた(笑)
い:どうして竹笹堂さんにお願いしたんですか?
もともと知り合いでしたっけ?
大:2008年発行の『京都もみじ帖』に竹笹堂さんの雑貨を
掲載させてもらったのがきっかけだね。
紅葉の写真集なんだけど、ちょっと雑貨やカフェも掲載してて。
その雑貨集めのときに、初めて竹笹堂さんに行って
原田裕子さんって若い女性がつくっていることを知って。
い:その頃、メディアの露出も増えてましたよね。
わたしも初めて知ったのはテレビだった。
大:和風で懐かしいものなんだけど、それだけじゃない
モダンな雰囲気も感じたんだよね。
原田さんのデザインする木版画は『京都手帖』に
ぴったりだと思った。
い:それで制作をお願いしに行ったんですね。
大:いちばん最初のアポの日、わたし忘れてて。
い:え?すっぽかしたんですか??
大:約束の時間になってもわたしが来ないから
先方から電話がかかってきて…
「すみません!すぐに行きます!!」って。
行きのタクシーの中で「もうあかんやろな」って思ってた。
い:焦ったでしょうね~…ぞっとする…。
大:でも竹中さん(原田さんの師匠)に話したら
「じゃあ考えてみましょか」って。
大昔のウチの本に、竹笹堂さんも関係があったりで
「ご縁がありますね」って言うてくれはって。
い:いつも思うんですけど、
竹笹堂さんってチャレンジ精神がすごいですよね。
大先生(竹中さんのお父様)も含めて、
新しいことを受け入れる度量がね。見習いたいですね。
大:こっちの意図していることもすぐ理解してくれはったし
何よりおもしろがってくれはった。
大:月間カレンダーのスペースが横長だったから
連柄(ひとつの版木から縦にも横にも広げられる)に
したほうがいいんじゃないですか?って
提案してくれはった。
い:この月間カレンダーの枠も竹笹堂さんの案でしたよね?
大:そう、昔の版画作品には、
こういう内側に欠けたように見える枠のものが多かったって。
そしてうまれた、「京都限定版」
い:京都限定版の表紙ができたのもこの年ですね
これはどういう経緯でできたんですか?
大:単純に、選べなかってん。かわいくて。
い:え?そんな理由?(笑)
大:そう。こっちもいいし、こっちも捨てがたい。
そのうえ、ふたつ並べたらめっちゃかわいい(笑)
それなら両方つくってもいいんちゃう?ってなって。
どうせなら片方を限定版にしてみようってことに。
並べてみると、たしかにかわいい |
い:そんな感じで決まってたんですか(笑)
でもやっぱ「限定」には弱いですよねー。
わたしも買っちゃうもん(笑)
大:いま、版画はどういう打ち合わせをしてるの?
い:毎年3月頃から始動します。
月間カレンダーのところに使うので
最低12案は新規でデザインしてもらってますね。
デザインは、綿密に計画をたてて…ではなく
基本的に原田さんにおまかせです。
大:「こういう感じで」という要望は出さないの?
い:どうしてもなモチーフがあれば伝えるけど、
原田さんのことだし、まかせていてもかわいいものが
あがってくるって信じてるんです。それにわたしが
あれこれ言わないほうがいいものができるとも思います。
大:彼女の感性を信頼してるんやね。
い:最初に、えんぴつで描いたラフを見せてもらうんです。
方眼用紙に色鉛筆で色づけした、デザイン画。
それでOKが出たら、彫る作業にまわしてもらう。
実際摺りあがった版画をみると、デザイン画より格段によくて。
普段、とっても仲良くしてもらってるんですけど
やっぱ摺り師なんだなぁとほれぼれする瞬間ですね。
表紙選びは、毎年思う存分悩む
大:毎年表紙選ぶのも苦労するよね
い:ほんとに…。直前までめちゃくちゃ悩みますね。
大:色校もたくさん出してるよね。
い:毎年出してもらう12案の中から
表紙に選ぶものを決めるんですが…
大:あがってきたときに
「表紙向きの図案だな」と思うこともある?
い:ありますね。
でも、実際レイアウトしてみたら「違うかも」って思ったり。
もちろんその逆もあって。
ダークホースがいきなり表紙に決定した、
なんてこともありました。
大:色校もたくさん出してるもんね。
京都手帖2018の、表紙色校 |
い:印刷会社の人と相談して、迷っているデザインはすべて
色校正を出します。
「やっぱあっちのほうがよかったかも…」と後悔したくないので
ほとんどやん、って言われるくらい出しますね(笑)
大:表紙もみんな好みがあるから、社内でも意見は割れるね。
い:正解がないですからね。
最後はえいやって決めますね。
大:竹笹堂さんの版画はパキッとしたきれいな色が多いから
印刷でこの色を出すのは…限界があるよね。
い:そうなんですよね。
「できるだけ近づけてください」って、
同じデザインでも数回やり直ししてもらいますね。
本日はここまで。
次回は、失敗談を少し…おはなししますね。ああこわ。
第1回 京都手帖がうまれたとき
第2回 竹笹堂さんと作っていく(←いまココ)
第3回 わたし失敗いたしました
第4回 進化しつづける京都手帖
第5回 京都手帖+と今後の展開