2017年12月20日水曜日

『京都手帖』編集室より① 京都手帖がうまれたとき

『京都手帖』は
京都のちいさな出版社・光村推古書院(みつむらすいこしょいん)から
毎年9月末頃に発売されています。

おかげさまでたくさんの方々に愛される手帳となりました。

もともとどうしてつくったの?
お菓子やお店のチョイスは誰が決めているの?
木版画のデザインは誰がしているの?
などなど
つくる側からみる『京都手帖』とはいったいどんなものなのか。

編集部ふたりで座談会をしてみました。
「ふたりって。少なっ」と思われたかもしれませんが
編集部、全員で4人です、そんなもんです。

【大】:大西(編集部最年長・せんぱい)
【い】:伊賀本(『京都手帖』担当・イガコ・北大路アオアザ)

このふたりで全5回、お送りいたします。

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い:はじまりました、ふたり座談会。
  まずは、『京都手帖』ができたきっかけから。
  2007年がはじめだったので、制作していたのは2006年ですね。
  そのころ、わたしは営業部でした。入社2年目。
大:初年度の『京都手帖』を担当したのはわたし。

右:大西(せんぱい)
左:伊賀本(イガコ)
それは会議室で起こりました

い:会議中に案が出たんですよね、たしか。
大:そう、社内と、社外の編集の人も同席していて。
  浅野社長が「京都の旬のものを載せる本をつくったらどうか」
  と言わはったんよね。
  でもそれだけじゃなぁ。何かいい方法ないかなぁって
  みんなで話してて。
い:それで、せんぱいが「行事もたくさんあるし手帳にしたら?」
  って言わはったんですよね?
大:そう。そしたら全員「いいやんそれ!」ってなってん。

大:編集は、最初は編プロ(編集プロダクション)に協力してもらって
  手分けしてコラムをつくった。
い:週間カレンダーページって上下にグラデーションが入ってますよね。
  ああいうデザインも、編プロと案を出し合って?
大:あのグラデーションは光村案やったな。
  各月色が違うことでインデックスの役割も兼ねてるんやけど、
  あれは舞妓さんの花名刺をイメージしてるんよね。はんなり感。
  とにかく「和風のスケジュール帳」にしたかったんよね。
  
週間カレンダーは当初からグラデーション

大:本文紙もいろいろサンプル取り寄せて…。
い:社内にたくさん紙があったの覚えてます。
  同じ紙でも厚み違いのものとか。
大:薄かったら裏うつりするし、分厚かったら重くなるしね。
い:サンプルに書き込んでましたよね。
  えんぴつ、ボールペン、万年筆、何パターンも。
大:書きやすさも、目に優しい感じも、
  一年通して使うものだから妥協できないと思ったんよね。


まさか足りなくなるなんて

い:部数の決定はどんな感じでした?
大:初版は1万部だったよね。で、割とすぐ5千再版した。
い:仕様の都合で、1万くらいつくらなきゃ原価的に厳しかった?
大:いや、そうじゃなくて。1万くらい売れるやろ!という感じ。
  多すぎるって意見ももちろんあったけど。
い:発売前に書店さんに「こんなの出ます」って案内しますよね。
  書店さんの反応ってどうだったんですかね?
大:浅野さんの話では、書店さんの反応もだいぶよかったみたい。
  「おもしろいですね」「売れるでしょ」って感じで
  注文もたくさん取れたんよね。
い:で、発売してすぐ足りなくなって、再版したんですね。

い:年代のターゲットとしてはどのあたりを狙っていたんですか?
大:やっぱり女の人やったな。
  自分と同じくらいの年代(当時は30代後半)を意識してた。
い:いざ発売したら、
  予想よりも上の世代の方々も買ってくれはりましたよね。
大:男の人もけっこう買ってくれてはってね。
い:今もですけど、表紙も中身もどっちかというと女性向けですもんね。

京都手帖2007の表紙


大:でも、男の人や、シックなものが好きな人へ向けて
  最初から表紙はリバーシブルにしててん。
  ビニールカバーの内側に入る紙が表紙になるんやし
  どうせやったら両面印刷したらいいやんってのがきっかけ。

い:いまの『京都手帖』と比べると、
  2007年のものは薄いですね。ページが少ない。
大:後ろのメモページ、あんまりなかったもんなあ。
い:掲載している行事もまだ少ないですね。
  ここから毎年少しずつ増えていったんですよね。
  「使いやすい京都手帖」のために
  毎年なにかしら改良していきましたね。


大:それで、次の年からはイガコが担当したんよね。
  わたし、育児休暇に入ったから。
い:そう、いきなり素人が(笑)
大:これ、二年目からは楽になると思ってたんよ。
  違ったけど(笑)
  一年目も営業部だったイガコに手伝ってもらってたね。
い:行事のピックアップとか、いろんな資料あたってましたね。
  二年目からはフォーマットがあるからそれに沿って、ね。
  カレンダーが変わると基本的には行事の日程も変わるし
  それに伴っての社寺への掲載確認とかね。
  やることは多かったですけどね。
大:二年目で大きく変えたところは?
い:アドレスページの追加、地図の追加、
  あとビニールカバーも丈夫にしましたね。

京都手帖2008つくりました



本日はここまで。
次回は、竹笹堂さんとの出会いについてお送りします。
お楽しみに。


第1回 京都手帖がうまれたとき(←いまココ)
第2回 竹笹堂さんと作っていく
第3回 わたし失敗いたしました
第4回 進化しつづける京都手帖
第5回 京都手帖+と今後の展開

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