2018年1月12日金曜日

『京都手帖』編集室より④ 進化しつづける京都手帖

先日からお届けしている、『京都手帖』制作のおはなし
第4回目の本日は、進化し続けるということをおはなしします。

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できること、できないこと

い:中に挟んである「愛読者カード」っていうハガキ、
  この返信率が『京都手帖』の場合、すごく高くて。
大:ウチの本にはほとんど挟んであるのにね(笑)
い:ふつうはこんなに返ってこないですもんね(笑)

『京都手帖2018』の愛読者カード
発売されてすぐですが、たくさんご返信いただきます。

い:みなさん熱心にご意見書いてくれはるから本当に嬉しい。
大:このハガキから改善点のヒントをもらってるよね。
い:千通以上のハガキ、ひとつひとつ目を通しますからね。
  ひとりだけの意見でも「ああたしかに」って思えば
  そしてそれができる範囲のことならば取り入れます。
大:それによって2009年ではペンホルダーがついたし
  これまで京都市内に限っていた行事を、
  宇治や近隣で開催するものまで拡充したね。
い:それからもビニールカバーに内ポケットつくったり
  メモページを増やしたり、切り取りメモも。
大:切り取りメモ、白紙だから気づいてもらえなかったり(笑)
い:今でも気づいてもらえてないかも(笑)

ひっそりある、切り取りメモ

大:でもその反面、要望が多くても反映しないものもあるね。
い:一番多いのが「月曜始まり」
  『京都手帖』は発売当初から月曜始まりですもんね。
  もともとなんで月曜からにしたんですか?
  世の中のカレンダーは日曜始まりが多いのに。
大:行事は土日に多かったし、
  土日を含めて京都旅行に来る人も多いだろうから
  予定の襴をまとめておきたかったんだよね。
  自分が使うならそのほうが便利だと思ったし。
い:当初、京都に住む人がターゲットだったんですかね?
大:そういうわけじゃないけど
  京都に住んでいる人に「こんなん使えへんわ」と
  思われるものはつくりたくなかった。
い:京都人に認められれば
  自然とほかの地方へは広がっていきますよね。


うれしいことと、責任感

大:「本当はこうしたいのに」って思っていることはある?
い:ありますよ。個人的にもメモページはもっと欲しい。
大:でもこれ以上ページ数増やせないでしょ。
い:そうなんです。重たくなるし。重い手帳は持ちたくない(笑)
大:愛読者カードにもよくあるよね。
  「軽くしてください」「小さくしてください」って。
い:そうしたいのはやまやまなんですけど、
  肝心の京都の情報量を削ることになってしまう。
  そうすると『京都手帖』としての意味がなくなると思うんです。


大:分冊にしようという案もあったね。
い:価格が折り合わなくてね…。
大:それに、分冊にしてもたいして意味ないか、と思ったんだよね。
い:分けるとしたら、「月間カレンダー」と「週間カレンダー」でしょ。
  でも、月間だけしかいらない人は
  そもそも『京都手帖』じゃなくていいですしね(笑)
大:タクシーの運転手さんが使ってくれてはるよね。
い:それとホテルの従業員の方も。
  観光に従事している方が使ってくれはるのは本当にうれしい。

い:でも、だからこそ、間違ったことは書けない。
  それもあって校正には念を入れますね。
  社寺に行事予定を確認するのは6月なんですけど
  それ以降に社寺の都合によって変更になることもあります。
  『京都手帖』の情報に合わせて旅行に来て下さった方や
  案内をしてくださった方に申し訳ない気持ちになりますね。
大:申請の作業も大変でしょ?
い:2018年で、掲載社寺は約350軒。
  そのひとつひとつに行事日程、拝観時間や料金の確認をします。
大:年々増えていってるもんね。
い:でも、わたしはこの申請作業、そんなに苦じゃないんです。
  社寺1軒1軒に書類をつくって、封入するんですけど
  「今年もこの季節がきましたよ」
  「みなさんおかわりないですか」
  「今年もよろしくお願いしますね」
  とか、心の中で話しかけながらやってます。
  気持ち悪いでしょ(笑)


目指すのは自分が使いやすい手帳

大:これまで通して、ハード面の大きな変化は
  やっぱり外ポケットがついたことかな?
い:2013年のバージョンアップでしたよね。
  これは本当に好評でしたね。


ポストカードや拝観チケットも入ります

大:大きいものもバサッと入れられて便利だよね。
  あと、なんといっても「手帳製本」。
  ノドまでがっと開くよね。
い:真ん中のページだろうが、端っこだろうが、
  パッと開いたページが閉じてこないんですよね。
  これって革命ですよね。
大:書き込みやすいわー、これ。


はしっこのページでも、閉じてこない!

大:巻末のこの社寺の情報は本当に便利。
  仕事でお寺に行くときも
  何時まで開いているとか、電話番号とかすぐにわかるし。
い:社寺の名前にルビふってるのも便利でしょ。
  わたし、京都手帖の一番の推しは
  ずっとこのルビだと思ってるんです。


とにかくルビ推し

大:読めない社寺名多いもんね。
い:読み間違えたまま覚えても失礼ですしね。
  にごる、にごらない、とか。
  自分のためにもこれは絶対にはずせない。
大:自分が欲しいものをバージョンアップしているような(笑)
い:いや、本当にそうですよね。
  自分が持ちたいものを作りたいですもん。
  これ、特権ですよね(笑)

い:社寺データに四角の枠があるんですけど
  これはチェックボックスの意味も兼ねてるんです。
大:なるほど。知らなかった(笑)
い:それで、こないだ、自分がどれくらい参拝しているのか
  チェックしてみようと思って。
大:ほとんどの社寺にチェックついたんじゃない?
い:それが3分の1くらいで…
  こんな仕事をしてるのにこれじゃあかんわと思い
  来年はいろいろと行ってみるつもりです。
  御朱印ももっと集めたいなぁ。

大:ほかにバージョンアップさせたいところは?
い:社寺データに駐車場の有無を入れたいですね。
  これ、なかなか難しいんですよね…
大:お寺によっては「紅葉シーズンは駐車禁止」っていう
  ところもけっこうあるしね。
い:だったら駐車可能台数まで書くのか…とか
  線引きが難しいですよね。
大:自分では欲しい情報だけどね(笑)
い:愛読者カードにも多いんですが
  ハード面だったらインデックスをつくりたいですね。
  開きやすくなりますし。
大:でも制作費がね…
い:そうなんです。完全に予算オーバーでしたね…



本日はここまで。
次回はいよいよ最終回!
『京都手帖+』やこれからの『京都手帖』のことを。

第1回 京都手帖がうまれたとき
第2回 竹笹堂さんと作っていく
第3回 わたし失敗いたしました
第4回 進化しつづける京都手帖(←いまココ)
第5回 京都手帖+と今後の展開


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