2018年1月9日火曜日

『京都手帖』編集室より③ わたし失敗いたしました

先日からお届けしている、『京都手帖』制作のおはなし
第3回目の本日は、背筋も凍る失敗談…と、コラムのお話を。

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血の気がひく、を体感する

い:せんぱいが担当した『京都手帖』は
  コラムの文字数が多いんですよ。
  そして文化的な香りがする(笑)

左:2010年桜コラム(せんぱい担当)
右:2011年桜コラム(イガコ担当) 
同じ桜コラムでも文字数が…

大:そうなの?ぜんぜん気づいてなかった(笑)
  2010年のとき、帯に誤植があってねー…。
い:「こんな感じでできたよー」って
  育休中のわたしに写メ送ってくれはったんですよね。
大:そうそう。それでイガコに
  「月間カレンダー」の「月間」が「月刊」になってますよ
  って返信もらって…。
い:印刷したあとだったもんね…(怖)
大:そのまま出すわけにいかず、刷り直し…(怖)

い:でも店頭に並ぶ前でよかったですよ…わたしなんて…。
大:2008年の話?
い:そう…月間カレンダーの年号、2008って書くところを
  一か所2007ってなってて…。
大:その年、わたし育休中だったから知らんのやけど
  発売後にわかったんだよね?
い:書店さんから電話がかかってきて
  「ここ、2007になってますよ」って。
大:…ぞっとするね。

「10」の下、訂正シール貼ってます…

い:訂正のシールをつくってね、こんな小さいところでしょ?
  貼るのも難しくて…。
  社員総出で、社内在庫はもちろん、書店店頭でも貼りました…。
  いま思い出しても本当におそろしい!
  みなさんにも申し訳なくて…つらかったなぁ。
大:この頃はまだスケジュール帳をつくる怖さが
  わかってなかったんだね。
い:玉(カレンダーの日付部分)を間違えるとダメージがでかいって
  勉強しましたね…。
大:そこからはできるだけ多くの人で、チェックするようになったね。


校正に命をかける

い:毎年9月末に発売するには、
  お盆くらいに校了しなきゃいけなくて。
大:製本に時間がかかるからね。
い:忌まわしの2008年の失敗から、
  校了になるまでは毎回ふらふらになるまで校正しますね。
  最後の最後まで確認して、間違いがないと自分で納得できるまで
  やらなきゃ気が済まないんです。
大:本文の校正は編集部全員(4人)でやるよね。
い:毎回お世話かけます。

何度も校正します(これはほんの一部)

大:この時期ばかりは、それぞれの仕事が忙しかろうが
  優先して校正するね。
い:旧暦や月の満ち欠けもあるから
  チェックする項目が多いんですよね。
大:4人でみても、ひとりだけ気付くっていうパターンもある(笑)
い:あのときの「してやったり感」すごいよね(笑)
大:見つけられなかったら悔しいもんね。
い:正解のない間違いさがしゲームですからね。
  しかも間違えられないやつ(笑)


大:コラムも毎年いろいろ考えてるね。
  ウチの仕事は取材ものがほとんどないから
  ノウハウがわからなくて最初は大変だったんじゃない?
い:今でも大変ですよ!すっごく緊張する。




い:2011年の話なんですけどね…
  毎月お菓子を買って、撮影して、試食して…。
  で、いざ原稿を書く5月頃になって気づいたんです。
  「あ!わたし、お菓子食べても感想をメモしてない!」って(笑)
大:季節限定のものばっかりだったら買い直せないしね…(笑)
い:ほかにも失敗があって。
大:まだあるの?(笑)
い:取材に行き始めた頃、ある雑貨屋さんに入って
  その場で撮影のアポ取って、自分の手帳に書き込んだんです。
  当日、その時間に行くと
  「約束の時間と違うから無理です」って断られて…
  それ以来、取材のアポ取りは電話や口約束だけじゃなく
  あとで必ずファックスやメールを送るようにしました。
  ライターさんには基本的なことかもしれないんですけど
  それすらわかっていませんでしたからね。


コラム制作時は、エンゲル係数高め

い:コラムは、大変ですけど楽しんでやってますよ。
大:お菓子とか、ランチは実際食べに行ってるんだもんね?
い:行ってますよ、自腹で(笑)
大:自腹っていうと、驚かれること多くない?
い:よく友達にもびっくりされます。

大:カメラマンのたやさん(京都手帖担当)が
  いつも褒めてくれるよね。
  「自腹で食べるから公正な判断ができるんだ、エライ」って。
い:だから、懐石料理のコラムはこの先も絶対ない(笑)
大:有名だろうが、名物だろうが、
  イガコがおいしくないって思ったら掲載しないんでしょ?
い:そうですね。でもその逆もあって。
  あれだけ有名だけどやっぱ最高!ってものも載せますよ。
大:自腹だし目も厳しくなるよね。
い:しかもダイエットできない(笑)

大:実際、自腹で食べに行ってるときに
  味以外にお店の雰囲気みたりするんでしょ?
い:そうですね。おいしくても緊張するお店はやめときます。
  あくまで主観にはなりますけど、
  居心地の良さも大切にしたいですからね。
大:コラムのネタ探しも苦労してるよね。
い:最初のうちは、桜や紅葉のコラムでも
  いくらでもバリエーションがあったんですけどね~…
大:もう、発売から12年経ったもんね。
い:だから、好評だったコラムは「使いまわし感」が出ないように
  掲載店や切り口を変えて、
  またやってみようかなと思ってるとこです。


大:『京都手帖2018』で好評だったのはどんなコラム?
い:愛読者カードの反応では「ご朱印」ですね。
  それと「写経・写仏」。
大:みんな社寺ネタは好きなんやね。
い:わたしの周りでは「カレー」も人気ですよ。
大:今年はめっちゃカレー食べに行ってたよね~。
い:これ以外にもおいしいところたくさんあったんで困りました!

左:写経・写仏コラム
右:カレーコラム  

い:「今月のお菓子」は続けてほしいってご意見をよくいただきます
大:季節感も出るしね
い:最初にあのコラムをしたのは2011年でした
  その年は、本当に季節限定のお菓子ばかりを集めてて。
大:いまは、通年買えるものでも、
  この時期におすすめのものっていう感覚かな
い:ですね。通年食べられるおいしいものもたくさんありますからね。



本日はここまで。
次回は、進化する『京都手帖』のおはなししたいと思います。


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